料理のレシピ

鯛&メジナのあら汁(潮汁)の作り方:旅館の若旦那レシピ

鯛 メジナ あら汁 完成型


魚の頭も骨も、捨てずに活用しましょう!

海釣りで釣ってきた魚を食べる時に捨ててしまいがちになったり、スーパーの安売りで売っている魚のアラ。

 

ひと手間かけちょっとだけ下処理を頑張ると、ご家庭でも、漁師料理・高級料亭のような、美味しいあら汁が作れます。

 

作ったあら汁は、美味しいしゃぶしゃぶやお茶漬けにも応用できます。

 

  • ママの料理のレパートリーに
  • パパが作る「男の手料理」の一品に

知って得する「あら汁」のレシピを、写真満載でUPいたします。ぜひお試しください。

1、材料と使用する調味料

  • 新鮮な魚のあら
  • ネギ(根深・葉ネギどちらでも可)
  • 味噌(適量)
  • 塩(適量)
  • 粉だし(少々)
  • 味の素
  • だし昆布

2、ここがポイント!魚のあら汁(潮汁)の作り方

※あら汁だけでなく、魚料理を作る時大事なのは、「生臭さを出さない事」です。

・水から煮るのか

・お湯から調理するのか

・強火でグツグツ煮るのか

・中火(弱火)でトロトロ煮だすのか

それだけで随分変わってきます。

 

また、内臓や血合いの下処理をきっちり行わないと、煮汁やあら汁が濁ってしまいます。

自分の実践と、人から教えていただいた方法を合わせて、

  • ・手間の簡素化
  • ・最終的に美味しくなるように

考えましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

 

注:今回の写真は、メジナがメインになっております。

仕込み、味付けに関しましては、鯛もメジナもほとんど変わりません。

3、生臭さを取る塩振り

3枚におろした魚の背骨、ひれ、半分に割った頭やカマなどに塩を振ります。

あら汁 臭みを取る 塩振り食卓塩でもあら塩でもOKです。「あじ塩」はちょっと…(笑)

気持ち多めでも構いません。ここはざっくりと行きましょう。

鯛 あら汁 下処理 塩振り”適当にまんべんなく“でOK

塩が振られたことによって、魚の内部の血や臭みがにじみ出てきます。

メジナ あら汁 下処理 塩振り怪しい光沢を放つメジナ達。

「生臭さをとる第一弾」

塩の浸透圧で魚の臭みを身や骨の外に出します。

4、お湯にくぐらせ、血合いを取る

魚の表面についたぬめりを取ったり、骨についた血合いを取るために行う工程です。

 

鍋に湯を沸かし、氷水を用意します。

メジナ 鯛 あら汁 湯通し上に見えるのが鍋、左手に氷水がありますね。

 

沸騰したお湯に魚のあらを放り込みます。

※中骨やカマなど、骨が太かったり火が通りにくそうなものから入れて下さい。

魚のあら汁 仕込み 湯通しあまり重ならないように入れましょう。

 

一度沸騰が収まります。

魚の色が変わり再度沸騰したら、氷水に入れて粗熱をとりザルに取り出します。

塩によってにじみ出た魚の臭み

魚の臭み 塩振り あら汁興味心で味見しないでくださいね(笑)

 

皮やヒレのぬめりをしっかり洗い流します。

骨についた血合いは歯ブラシなどを使うとやりやすいです。

鯛のあら汁 臭み 下処理 歯ブラシ特にハラワタの部分の血合いは念入りに!

 

お掃除が終わったアラ

あら汁 下処理 掃除 湯通しあら、こんな姿になっちゃって…

この工程が非常に大事になります。

多少身が崩れても気にせずに、とにかくぬめりや鱗・血合いをしっかり取ってください。

5、昆布・酒と一緒に煮る⇒あくとり

鍋に、

  • あら
  • だし昆布
  • 酒(煮汁の5~10%)

を入れ、水から中火で煮ます。

メジナのあら汁 だしの取り方湯がいても脂が出る美味しいメジナ(鯛も)。

 

イメージとしては、「中火でじっくり煮立てる事で、ジワ~ッと旨みが出てくる」といった感じです。

何となく「ジワ~ッ」としてますよね?(笑)

 

沸騰する前に昆布を取り出し、中火でさらに煮立てます。

 

この位の時に白い灰汁が出てきます。

臭み・えぐ味なので、しっかりすくい取ってください。

 

沸騰してから3~5分煮たてて下さい。沸騰しすぎてグツグツしないように注意しましょう。

「何となく」じっくり。

魚のあら汁 沸騰 煮込みゆるやかな沸騰で3~5分ほど

沸騰した時に味見を一度しましょう。

そして、3分後にもう一回。

さらに5分後にもう一回。

足りなかったらあと3分(笑)

味の変化が分かると、料理が楽しくなりますよ!!

灰汁を取る時のお勧めは、キッチンペーパーの真ん中に切れ目を入れ、鍋の上に乗せる事です。

浮いてきた泡や灰汁が切れ目から湧き出ることによって、自然に濾過されます。

あとはペーパーを捨てるだけ。

※透過性のあるキッチンペーパーを使用して下さい。

鯛 メジナのあら汁 キッチンペーパー 灰汁取り灰汁がキッチンペーパーに張り付き、濾過されます。

6、キッチンペーパーでこして、下味をつける

味に関しては、個人の好き好きが出ますよね。

ここからはあくまで「梅ちゃん流」で作ります。

「○○の方法もありますよ」といった部分が、『人の好き好き』なので、そこはお任せします。

鍋からすべてのあらを取り出します。

取り出す際に、具として使える部分と、背びれなどの食べない部分を分けます。

あら汁 あらの処理 煮汁こちらは捨てる部分を入れたボールです。

 

鍋に残った汁をキッチンペーパーでこします。

鯛 メジナ あら汁 布巾でこすキッチンペーパーでこすと、さらに透き通ります。

 

ペーパーでこさずにそのまま味付けする方もいらっしゃいます。

「細かい身が浮いてた方が気分が出る」

みたいな☆

全然OK!!

細かい鱗や小骨などがあると、子供が魚嫌いになってしまう恐れがありますので、あくまで「一つの方法」として試してみて下さい。

軽く一煮立ちさせて、だしの素(かつおの粉だし)をほんのひとつまみ入れます。

※6-2.味噌汁バージョンに書いてあるのですが、使用する味噌が「だし入り味噌」の場合は、ここでは粉だしを入れないでください。

 

『化学調味料なんかいらねーよ!』

という方は、そのままで結構です。

 

大体スープ一杯につき、顆粒で20~30粒くらいです。(ティースプーンの先っぽに少々)

ほんの僅かな味付けでスープに驚くほどの深みが出ます。

入れすぎるとコンビニのカップみそ汁になってしまうので、「ほんのごく僅か!」これを守って下さいね。

吸い物・味噌汁共に、これがベースのスープになります。

そのままバージョンとカツオの粉だしバージョンの対比をしてみましょう

  1. レンゲに煮汁をそのまますくって一口味見をしてください。
  2. レンゲにカツオの粉だしを数粒(4.5粒)入れ、煮汁をすくい味見をしてください。
鯛・メジナのあら汁の味見方法の説明レンゲ1杯だったらこれくらいで十分です

 

どちらがお好きですか?

6-1.お吸い物バージョン

超簡単です。

塩を入れるだけ(笑)

人によってはほんのわずかの化学調味料(味の素)を入れる方もいらっしゃいます。

 

どちらにせよ、もともと魚のだしはしっかり出ていますので、少なめの薄味を意識してください。

一口目の味が濃すぎると、最後には口が痺れるといいますか、ゴールまでたどり着く前に味に飽きてしまいます。

最後の一口を飲んだ時に、体の欲する塩分をちょうど取り込むようなイメージで、少し薄めにしてください。

 

お醤油を一垂らしする方もいらっしゃいますよ。

どうせ透き通った汁を飲むので、最初はうす塩の味を楽しんで、途中から薄口しょうゆを一垂らしする事をお勧めします。

味の変化を感じると、自分の好みと味付けへのアジャストが容易になります。

鯛 メジナ あら汁 完成型身がたっぷり入った、透き通ったあら汁の完成!

6-2.味噌汁バージョン

こちらも同じです。味噌を入れて溶くだけ(笑)

 

味噌は普段ご家庭で使用しているお味噌で十分です。

「だし入りみそ」を使っているご家庭の方は、ひとつ前に書いた「下味のだしの素」を入れない方がよろしいかと思います。

7、まとめ

鯛&メジナのあら汁のレシピ、いかがでしたでしょうか。

あら汁・味噌汁として、普段よりちょっと特別な感じで楽しめるのではないかと思います。

 

ちょっとした下処理

  • ・塩を振って臭みを出し
  • ・湯通しで身を引き締め冷水で血合いを取る
  • ・じっくり煮だす

という工程をしっかりすれば、そんなに失敗しないと思います。

今回、具体的(厳密)に調味料の数字を出しませんでした。

魚のだし汁が出来てからの塩・化学調味料の量は個人の好き好きが出ますので。

 

だた、基本は

薄味→濃い味

これさえ守れば、大惨事は免れる事が出来ると思います。

偉そうに言うつもりは毛頭ございませんが、これが『家庭の味』であったり『パパの漢(おとこ)料理』ではないかと…

 

そしてこのあら汁を作れるようになる事によって、

  • 『鯛(メジナなど)のしゃぶしゃぶ』
  • 『鯛茶漬け』

に応用が出来るんです。

ここまで来ると、一気に料理が面白くなりますよ!

最後までお付き合いありがとうございました。